低用量ピル

低用量ピル(OC)は正しく服用することで、100%近い避妊効果と生理痛改善や生理周期を整える効果があります。
当院では、ピルを安心して服用できるようにアドバイスとサポートを行っております。

処方可能なピル

主に避妊目的で使用される保険適用外の自費ピルと、月経困難など治療目的に使用される保険適用のあるピルがあります。

自費処方のピル

主に避妊など、治療目的でない使用用途で内服することが多いです。

三相性ピル:ラベルフィーユ282,500円(税込)
一相性ピル:ファボワール282,500円(税込)

マーベロン、トリキュラー、アンジュをご希望の場合は、一律1シート3,000円(税込)で処方いたします。
お申し出頂いてからの取り寄せとなります。

保険適応のある女性ホルモン剤

主に月経困難症、子宮内膜症など治療目的で処方します。以下すべて当院での処方が可能です。

超低用量ピルルナベルULD、フリウェルULD、ヤーズ、ヤーズフレックス、 ドロエチ、ジェミーナ(周期投与・連続投与)
低用量ピルフリウェルLD、ルナベルLD
黄体ホルモン剤ノアルテン、デュファストン、ディナゲスト、ジェノゲスト

当院でのピル処方の流れ

ピルを安全にお使いいただくために、当院では問診・検査を定期的に行っております。
初回のピル処方にあたっては①~②(必要に応じて③)をお願いしております。

  1. 血圧の計測・記録
  2. ピルの問診票記入
  3. ピル検査(採血、子宮頸がん検査、超音波検査)

検査の結果からピルの内服が可能であると判断した場合、ピルを1シートお渡ししております。
1シート内服後、副作用がないか確認の採血を行い、異常がなければ毎回3シートを上限に処方が可能です。以降なにも異常がなければ毎回の処方時に①、半年から1年おきに③の検査を行います。

*副作用発症リスクの高い方(喫煙者、40歳以上、肥満、採血結果異常など)には適宜~半年おきに採血を行います。

低用量ピル(OC)とは

低用量ピルは、OC(oral contraceptives)や経口避妊薬とも呼ばれております。
低用量ピルには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンが含まれており、避妊薬としてはもちろん、辛い症状を伴う月経困難症や子宮内膜症の治療にも有効とされております。

ピルを毎日一回服用することで排卵を抑制し、子宮内膜の増殖を抑える働きをするため、コンドームよりもはるかに高い避妊効果があります。正しく服用すれば、生理と自分のライフスタイルをうまくコントロールすることができ、ほぼ100%の避妊効果という最も確実で安全性が高い避妊方法で、「望まない妊娠」からあなたを守ることができます。

ピルの効果・メリット

ピルは避妊薬としてはもちろん、女性ホルモンをコントロールできることから、月経困難症をはじめとする月経に関する様々なトラブルや子宮内膜症の治療にも有効とされています。

  • 避妊効果
  • 生理痛を和らげる
  • 月経血の減少による貧血の改善
  • ニキビ、肌荒れの改善
  • 生理周期を安定させる
  • 卵巣がん、子宮体がん、子宮内膜症、大腸がんを予防できる
  • PMS(月経前症候群)の症状を和らげる(頭痛・下腹部痛・情緒不安定など)
  • 生理の時期を調整できる:大事な試合や試験などと生理がぶつからないようにできる。

ピルの副作用・デメリット

服用開始時に極稀に下記のような副作用がありますが、しばらく飲んでいるうちになくなることがほとんどです。

  • 不正出血、吐き気、頭痛、胸の張り、倦怠感、むくみ、など

血栓症について

ピルを内服する上で忘れてはいけないのは、血栓症(血管の中に血の塊が出来る病気)のリスクです。非常にまれではありますが、10万人に1人の割合で死亡することがあります。
血栓症には前ぶれがあることがほとんどですので、服用する方は、血栓症の初期症状とそのリスクが高まる状態について知っておきましょう。万が一ピルを服用中に下記のような症状が出てきたらすぐに服用を中止し、早期受診・治療を行うことが身を守ることに繋がります。

血栓症の初期症状

  • ふくらはぎの痛み、むくみ、しびれ感(ふくらはぎの症状は片側に起こることが多い)
  • 鈍い胸の痛み、突然の息切れ
  • 胸部の押しつぶされるような痛み
  • 激しい頭痛、めまい、失神
  • 視覚・言語障害(視野狭窄、舌のもつれなど)

低用量ピルと併用注意なお薬

低用量ピルと相性が悪く、一緒に飲まない方が良い薬がいくつかあります。持病をお持ちの方は、主治医の先生とよくご相談ください。
下記の他にも低用量ピルによって効果が強まる薬・弱まる薬がいくつかありますので、お持ちの方はおくすり手帳を持参するようにしましょう。以下に飲み合わせに注意が必要な代表的な薬を記載します。

  • ピルの効果が弱くなる可能性がある薬
    抗生物質(ペニシリン系、テトラサイクリン系)、抗てんかん薬(バルビツール酸系、ヒダントイン系)、抗結核薬(リファンピシン、リファブチン)、精神刺激薬(モダフィニル)、抗HIV薬(非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬、HIVプロテアーゼ阻害薬)、セントジョーンズワート含有食品
  • ピルの効果が強くなる可能性がある薬
    アセトアミノフェン、抗真菌薬(フルコナゾール、ボリコナゾール)
  • ピルの影響で効果が弱まる可能性がある薬
    アセトアミノフェン、血糖降下薬、モルヒネ
  • ピルの影響で効果が強まる可能性がある薬
    三環系抗うつ薬、副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤(シクロスポリン)
  • 併用が出来ない薬
    ヴィキラックス配合錠